AI駆動開発・全工程定義書
文書ID: PROCESS-001 / 版: 1.0 / 状態: 記入例・未承認
本サンプルは架空の「サンプル商事・経費申請システム」を題材にした企業内改善用の文稿です。実際の開発・検証・承認を実施した記録ではありません。数値、担当、構成は例示であり、自社条件に合わせて変更してください。
1. 定義と対象範囲
AI駆動開発とは、合意された目的・制約・受入条件を入力として、AIが設計、実装、検証、修正、文書更新を連続して実行し、人が目的・重要判断・最終受入に責任を持つ開発方式とする。自動化の単位は「受入可能な小さな要件」とし、各工程の成果物を同じ要件IDで結ぶ。
本定義の範囲は要件定義からUATまで。非機能検証は設計時から反復し、第8工程で結果を集約する。本番公開・継続運用はUAT後の別判断とし、第8工程の移行・運用成果物を引き継ぐ。
2. サンプル案件の共通条件
- 企業名: サンプル商事(架空)。案件ID: EXPENSE-DEMO。
- 要件ID: REQ-014。申請者は自分の経費申請を承認できない。
- 対象: 申請済み経費の承認と監査記録。代理承認、多段階承認、会計仕訳連携は対象外。
- ロール: 申請者、承認者、監査閲覧者。認証情報はテスト用データを使用。
- 技術構成例: Web UI、承認API、SQLデータベース、社内認証基盤。
- 保存年限、稼働時間、性能目標、予算、利用可能なAIは企業設定シートで決定。
3. 全工程の入出力と責任
| 工程 | 主な入力 | AIの実行と成果物 | 完了判定の責任者 | 差戻し先 |
|---|---|---|---|---|
| 01 要件定義 | 業務資料・課題・制約 | 要件一覧、業務フロー、受入条件、未決事項 | 業務責任者 | 業務資料・関係者への確認 |
| 02 基本設計 | 承認済み要件・非機能目標 | 構成、画面案、ADR、API契約 | 設計責任者 | 要件定義 |
| 03 詳細設計 | 基本設計・API契約 | データ定義、処理仕様、型、契約テスト、タスク | 技術リード | 基本設計または要件 |
| 04 実装 | 詳細設計・実行条件 | コード差分、PR、ビルド手順、生成履歴 | コードオーナー | 詳細設計 |
| 05 単体テスト | コード・期待値 | 自動テスト、実行結果、再現ケース | QAと開発者 | 実装または仕様 |
| 06 結合テスト | 検証済み変更・連携仕様 | 契約テスト、トレース、回帰結果 | 連携担当 | 関係する設計・実装 |
| 07 総合テスト | 統合ビルド・業務シナリオ | E2E結果、画面証跡、要件追跡表 | QA責任者 | 不適合の原因工程 |
| 08 非機能・リリース準備 | 品質基準・運用条件 | 品質報告、運用手順、移行・復旧演習 | 品質・運用責任者 | 設計・実装・運用計画 |
| 09 UAT | 受入候補・検証証跡 | UAT準備、結果集約、課題処置案 | 利用部門の受入責任者 | 要件変更または不具合修正 |
4. 実行サイクル
- 業務責任者がREQ-014と受入条件を合意する。
- AIが依存関係を分解し、隔離環境で設計と実装を更新する。
- CIが検査・テストを実行。期待値は仕様から定義し、QAが独立レビューする。
- 失敗時はログ、再現条件、原因仮説を記録し、修正後に関連回帰テストを実行する。
- 完了条件に達した変更を担当者がレビューし、利用部門がUATで確認する。
- 承認時点の仕様版・コミット・環境・証跡を固定し、次の要件へ進む。
5. 停止・再開条件(企業別に変更)
サンプル運用では同一障害の自動修正は3回まで、1実行の時間は30分までとする。費用上限は企業設定で必須入力。権限不足、仕様矛盾、実データが必要な場面、上限到達時は停止し、課題票を起票する。AIが上限を変更したり、テストを削除して合格扱いにしたりしない。
再開条件: 担当者が原因、変更した入力、残予算、再実行対象を記録し、再開を決定。以前の失敗ログを保持する。
6. 成果物管理
- 共通属性: 文書ID、版、要件ID、作成者、レビュー担当、更新理由、承認状態。
- 実行属性: コミット、ビルドID、環境、テストデータ版、日時、実行者、結果、証跡参照。
- リンク例: REQ-014 → ADR-001 / API-014 → TASK-014 → PR-014 → UT/IT/ST-014 → UAT-014。
- 状態遷移: 下書き → レビュー中 → 承認済み。実行結果は未実施/合格/不合格/保留を区別。
- 手順文書やコード例だけでは実施済みとしない。テスト実行とレビュー後に実際の証跡を登録する。
7. 変更管理と改善
変更要求CR-001には、要求者、理由、変更する受入条件、影響する成果物、再試験対象、費用と日程への影響を記録する。承認後に要件を改版し、旧版の受入結果を新しい版へ流用しない。
1イテレーションごとにリードタイム、人のレビュー時間、自動修正回数、UAT合格率、流出不具合、AI・CIを含む総費用を比較する。改善案は担当者・期限・検証指標を決めて試し、品質が悪化した自動化は範囲を戻す。
8. 自社への適用欄
- 企業/案件: {{COMPANY_NAME}} / {{PROJECT_NAME}}
- 対象機能・対象外: {{SCOPE}}
- 承認責任者: {{BUSINESS_OWNER}} / {{TECH_OWNER}} / {{QA_OWNER}}
- 既存の契約成果物との対応: {{DELIVERABLE_MAPPING}}
- 自動実行上限と再開責任者: {{RUN_LIMITS}}
- 文書の保存先と保存期間: {{EVIDENCE_POLICY}}
- 適用版・適用日・承認記録: {{APPROVAL_RECORD}}